研究会レポート

鹿児島の特産品や作り手のこだわり等をレポートします

2026年2月例会 テーマは「鹿児島黒牛・黒毛和牛と、農家の今後」

タグ:2026

2026年2月例会テーマは 「鹿児島黒牛・黒毛和牛と、農家の今後」 

日時:2026年(令和8年) 2月10日(火) 
場所:黒豚 しゃぶ鍋 八幡

「かごしまホンモノの食研究会」2月例会。
登壇いただいたのは、県内屈指の肥育技術を誇る「うしの中山」の荒木専務。
その言葉から、鹿児島が誇る宝、黒毛和種の未来を展望した、単なる畜産農家の活動報告ではなく、日本の「和牛」が世界を席巻するための壮大なロードマップ。

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◇鹿児島黒牛の誇りと、歴史の重み

鹿児島は日本一の和牛生産地である。
その礎を築いたのは、先人たちが心血を注いだ改良の歴史だ。
「鹿児島黒牛」というブランドは、長い年月をかけて和牛の頂点へと登り詰めた。
荒木専務はまず、その歴史に敬意を払い、地域が一丸となって守り抜いてきた「黒毛和種」の価値を再定義した。

◇「うしの中山」が描く、新しい農家のカタチ

鹿屋市を拠点とするうしの中山は、数々の受賞歴が示す通り、その肥育技術において妥協を許さない。
しかし、彼らの真骨頂は技術力だけではない。
荒木専務は、生産現場の透明性と安心・安全を追求する姿勢こそが、信頼の源泉であると強調する。
それは、消費者にとって「顔の見える」畜産であり、地域と共に歩む企業の姿であった。

◇直面する課題:農家から「メーカー」への脱皮

今、和牛界は厳しい状況に置かれている。
飼料価格の高騰や消費構造の変化。その中で荒木専務が投じた一石は、「なぜ農家は自分たちで価格を決められないのか」という問いだ。
これまでの「農家」という枠組みを超え、自ら価値を創造し、価格決定権を持つ「メーカー」へと進化しなければならない。
市場に委ねるだけでなく、自らの手でブランドをコントロールする。
その覚悟が、これからの生き残りには不可欠だ。

◇未来を切り拓く:輸出の再定義と技術の輸出

今後の展望として語られたのは、極めて攻めの姿勢。
絶対輸出の断行: 従来の余剰分を出す「輸出」ではなく、海外市場を最初からターゲットに据えた、戦略的な輸出モデルの構築。

海外への進出:

日本の農家が自ら海外へ渡り、現地の牛を日本の「安心・安全」な肥育技術で育てる。
技術そのものを世界標準にするという発想。

最先端技術の導入:

AIやIoTといった最新技術を、他産業より先に農業に投入する。
「農業こそが、世界をリードできる最先端の分野である」——荒木専務の言葉には、確かな熱量があった。
日本の畜産が「守り」から「攻め」に転換したとき、和牛は真の意味で世界の至宝となる。

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