研究会レポート

鹿児島の特産品や作り手のこだわり等をレポートします

かごしまホンモノの食研究会主催セミナー「麹の力」

タグ:2024

『麹の力』セミナー

かごしまホンモノの食研究会では毎月例会を実施しています。
例会は食のスペシャリストに講和をお願いしていますが、不定期に会員外の方も参加できるセミナー等を実施しています。
今回は、研究会の会員でもある河内源一郎商店の池田隆一さん。
『麹の力』と題して講和をいただきました。

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麹とは

米や麦などの穀物に麹菌を繁殖させたもの
味噌・醤油・お酒等の発酵食品に欠かせないもの
麹菌は日本コウジカビと呼ばれ国菌に指定

3種類に分類される
・黒麹菌ー焼酎
・白麹菌ー焼酎
・黄麹菌ー日本酒・味噌・食酢・甘酒等

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日本麹と紅麹の違い

まったくの別物

日本麹菌(麹菌)は日本にしか存在しない
紅麹菌は中国・台湾に存在する

今回の問題は培養時間と衛生管理の問題

麹菌は培養時間が3日間
紅麹菌は約50日間
原因は工場内に住み着いた青カビの毒素・プベルル酸による

麹菌について

黒麹菌(アスペルギルス・アワモリ)-黒色
白麹菌(アスペルギルス・カワチ)-褐色
黄麹菌(アスペルギルス・オリゼエ)-緑色
胞子の色が異なる

1番の大きな違いはクエン酸を造るか作らないか

黒麹菌・白麹菌は造る
黄麹菌は造らない

麹の働き(酵素の利用)

1.デンプン分解酵素(アミラーゼ)
2.タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)
3.脂肪分解酵素(リパーゼ)

特に1.2が重要
発酵食品を造るには良い麹が必要
3大消化酵素以外の各種酵素により独特の風味が造られる

麹・酵素・酵母の違い

麹(こうじ):酵素を作る微生物、麹菌から造られる
酵素(酵素):タンパク質でできている、熱に弱い
酵母(酵母):糖分をアルコールに変える微生物

何故、発酵食品は体に良いのか

  • 1.酵素の働きで原料由来のデンプン・タンパク質等を分解、風味を改善
  • 2.体に吸収されやすいブドウ糖・アミノ酸等を造る
  • 3.長い時間をかけて発酵させるため、貯蔵性高く、添加物が必要ない
  • 4.発酵食品に使われる麹菌は毒素を作らず安全

甘酒・茶麹の効用

甘酒

原料は米麹・米・水
ノンアルコール
飲む点滴

茶麹

原料はお茶の葉
緑茶の効用を残しつつ腸内環境を改善

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『麹の力』案内文書

【日時】2024年6月15日(土) 10時~11時半(9時半開場)
【場所】天文館ビジョンホール4F
【参加費】500円
【内容】『麹の力』

講師は河内源一郎商店の池田隆一氏
味噌、醤油、甘酒、塩麹などなど発酵食品に欠かせない麹について学びます
話題になる紅麹についても解説
焼酎にも使用される白麹、黒麹、黄麹も現物を準備いたします
皆んなで麹のパワーを学びましょう
試食試飲もあります
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